ディジタル出力を備えたヘッドユニットで、PXA-H600とは光ディジタルで接続。
単体で使っても、S/Nが比較的よいユニット。ヘッドユニット自体は、中域を意図的に盛り上げたような、独特の音がする。同社のあまり中域を膨らませないスピーカーと組むとちょうどバランスが取れるのかもしれないが、でも少しわざとらしい。
PXA-H600と組み合わせると一段上の音質になるので、H600の制御用としてならよいかもしれない。
最近のアルパインは無理に若作りしているのが見えて好きではなかったのだが、本機のデザインは誇張なく落ち着いていてなかなかよい。
ディジタル出力対応のCDチェンジャー。
現在、CDチェンジャーといえばJubaシリーズのS609と普及版であるS624の2機種のみだが、S607はちょうどその中間を埋めていたモデルだ。本システムでは使用しないが、D/Aコンバータも良質なものが使われている。
S624で採用されているマガジンより、このタイプのマガジンの方が扱いやすい。
S604から買い替え。
CDチェンジャーの利便性はそのままに、高音質を得ることができた。
本システムの要。
0.1ms単位で調節できるディレイ、4バンドのパラメトリックEQ、サブウーファー用ディジタルディバイダを内蔵。
ディレイの調整により定位を改善し、再生音のピークやディップを軽減するのに役立つ。
D/Aコンバータも、7949JG内蔵のものよりワンランク上の音を出してくる。
マルチビットD/Aコンバータを採用しているせいか、7949JGとはまた違う性格の音。
内蔵されているD/AコンバータIC、バーブラウンPCM1702UをKランク選別品に換装。同時にPCM1702電源のデカップリングコンデンサをBlackGateNXに交換してある。
ノーマル状態よりすっきりと見通しのよい中域、美しい余韻が得られた。
ノーマル状態で気になるヴォーカルの耳刺さり感が解消。それより高い帯域にもうひとつピークが残っているが、後日I/V変換以降のアナログ部分に手を入れることによってなんとかしたいと思っている。
この頃のアルパインのアンプは、中域の表現がよく個人的に気に入って使っている。
中古で売られていたものを手に入れて使い始めてから7年。製造されてから10年程経っていることだろう。
全体的に素直な性格。中高域を違和感ない程度に膨らませて、ある種の安心感を持った音に仕上げているのは当時のアルパイン製アンプに共通するところ。それに加えて本機ではスピードとパワーのある低域が大きな特徴。高域も、このクラス相応にレンジを伸ばしている。上位機種の3546(Juba)が細やかで暖かみのある表現になるのに比べ、3543はソリッドで力感を持たせた性格付けといえるように思う。
以前は1台で全帯域を受け持たせたりトゥイーターを一回り小さい3525に任せてみたこともあったが、2000年9月に1台追加購入、トゥイーターとミッドレンジを別のアンプで駆動するバイアンプ方式にしている。
トゥイーターとミッドレンジの電気的な干渉を抑えて澄んだ高音を得ることができ、使用するケーブル類選択の幅が広がり、TW/MIDのバランス調整も容易になる。
DDDS7。知る人ぞ知る、アルパインのホームオーディオ向けフルレンジユニット。
取付穴径は純正SPと同じ、奥行が9mm深くて69mm。Qo=0.7で、ドア取付にはちょうどいい。
繊細な表現にすぐれ、微小レベルの信号をより正確に再現する。
ホーム用ではそれほど気にならない指向特性が、ドアマウントでは重大な問題になる。
特にDDDS7は指向性が狭い傾向があるので、単独ではなかなか良さが生きてこない。
そこで、DDT-F25Aを追加することにした。
DDT-F25Aは音質的にDDDS7と共通したキャラクターを持ち、違和感を感じさせない。
約6KHzをクロスポイントとしたネットワークを組んだ。
まだ調整途上だが、経過は良好。より上の帯域まで、DDDrive的な低歪み感が得られた。
究極の目標としては、トゥイーターの存在を忘れさせる自然な再生音にしたいと思っている。
自作ネットワーク。
DDDS7には、フォステクスの0.30mHコイルを使った一次LPF(-6dB/oct.)を挿入。DDDS7には中高域が盛り上がる特性があるため、低い周波数からなだらかに落とすことにより盛り上がりを抑える効果を狙った。
またDDT-F25Aには、東一のコンデンサ・TCAP(S)3.6μFとトリテックの0.12mHコイルで構成される二次HPF(-12dB/oct.)を挿入。当初はLPFと同様の一次としていたが、TWとMIDがカブって音が濁るような気配があったので、カットオフ周波数は変えずに二次HPFとして干渉を回避することにした。
オーディオ用のバッテリー。オルタネータや点火系などのノイズ源から遠く、アンプからはより近い距離にある電源だ。
使用僅少のオプティマ赤を譲り受け、サブバッテリーとして使用している。
バッテリーリレーはメインバッテリーとサブバッテリーを結ぶ導線に挿入され、ACCに連動して開閉する。キースイッチOFF時やエンジン始動時にはサブバッテリーはメインから切り離され、無用の放電を防ぐ。ダイオードによるアイソレータと違い、電圧降下が起こらないのが特徴。
ノイズフィルタは、ノイズ発生源が多くぶら下がっているメインバッテリからのノイズを防ぐ目的で入れてある。
キャパシタを追加することにより、切れ込みのよい低音が得られた。また、ピアノなどがしっとりと鳴るようになるなど、効果は大きい。
このシステム構成になるまでの道程。
まだこの旅は終わりそうにない…。