Panasonic NV-FS65
ジャンクS-VHSビデオデッキを修理する(4)
メカは正しく動くようになりました。画質はともかく、とりあえず映像も出ます。でもまだ画面全体が震える現象と肌色や赤色の一部分が紫色に変色している問題が残っているので、その対策をしましょう。
ジッター、というやつですかね。
ものすごい速さで上下に微震動しています。
ます油切れとかゴム類の劣化とかいった走行系の消耗を疑うべきなのでしょうが、本機のメカは堅牢な作りで、幸か不幸か怪しい箇所の見当がつきません。そんなに大きな弱点があるようにも思えないのです。
テープガイドの角度が狂っているとかいう症状でもないような気がしますし。
もしかしたら、サーボ系がトラブルを起こしてテープ走行が不安定になっているのかもしれません。
モーター類をコントロールする回路を疑ってみることにします。
SERVO PACK基板
シスコン基板の上に、「SERVO PACK」というサブ基板が立っています。
もしかしたらこの基板に問題があるのかもしれません。
このとき既にジャンク品の同機種をもう一台確保していましたので、そいつからSERVO PACK基板を移植してみたところ、上下振動がピタリと治まりました。本来ならこの基板上の何が問題だったのかを追跡するべきなのですが、とりあえず移植して動いたところで対策完了ということにします。
肌色や赤色の輪郭部分が紫色に染まります。
顔の輪郭とか、テカリの部分が紫色しているのは、どうも不健康で怪しい感じです。
これは、SHQ PACK基板上のVRで調整することができます。
SHQ PACK基板はY/C PACKの隣に立っていて、コネクタを外すことによって取り出すことができます。
まず、輪郭に変な色が乗る現象は基板中央に3つ並んでいるVRのうち、「CNR PHASE」と書かれているものを回してみることによって改善することが多いようです。赤色や肌色に変な色が乗らない位置にセットします。
これで紫色の塊は消えたのですが、今度は赤色も肌色も全体的に紫色っぽくなってしまいました。
赤色の色調は、同じ基板上の「COL PHASE」で調整することができます。
赤色が紫でもオレンジでもなく、鮮やかな色になる位置に合わせます。
これで修理完了です。
録画品質がとてもいいですね。
再生もなかなかいい感じ。輪郭がピシッと決まるのが気持ちいい。
ハードオフで買った本体が1,000円、交換ヘッドが5,900円、ケミコン類数百円、部品取り用本体が2,000円、ハードオフで発見したリモコン300円。一万円でこの性能なら、そこそこ元が取れていると思うのですがいかがでしょう。