Panasonic NV-FS65
ジャンクS-VHSビデオデッキを修理する(2)
まず、イジェクト時にテープが絡まるトラブルをどうにかしなくてはいけません。
すでに大切なソフトを2本犠牲にしています(涙)。
その後で、画面全体が震える現象と、肌色や赤色の一部分が紫色に変色している問題を解決することにします。
なぜイジェクト時に絡まるのか、上蓋を開けて観察しましょう。
下の画像は、テープなしでメカの状態を解説していますが、実際にはテープが入っています。
イジェクト状態
上に示したのがイジェクト状態です。注目すべきローディングアーム類に赤丸で印をつけてみます。
イジェクト状態
左2本はフルローディング時に回転ヘッドへテープを押しつけるアーム。
右2本、黒くて細いアームがハーフローディング時に固定ヘッドにテープをおしつけるアームです。
4本とも格納状態で止まっています。
ハーフローディング状態
テープを挿入すると、まず右2本のハーフローディングアームが起き上がり、テープを引き出して固定ヘッドに当てます。長時間待機するときや、早送り/巻き戻し時にはこの「ハーフローディング」状態で行われます。
テープ挿入直後や再生ボタンを押したときには、さらにフルローディング状態まで遷移します。
フルローディング状態
これがフルローディング状態。テープが大きく引き出され、回転ヘッドにローディングされます。
録画・再生時、または待機中でもすぐに再生に移ることが予想される場合はこの状態になります。
さて、テープを取り出すときには、
フルローディング → ハーフローディング → テープを格納してイジェクト
という手順を踏むのですが、ハーフローディング状態からテープを格納するときに一番右のアーム(下図紫矢印)の戻りが遅く、テープの格納が完了する前にカセコンが動き出して、テープが引き出されたままカセットを排出してしまうようです。
テープを引き出すときにはカムの働きで強制的に押し出されるのですが、戻るときはスプリングの力で自然に格納されるようになっています。スプリングは正しく掛かっていますので、多分軸受が油切れを起こしているのでしょう。
5-56を少量吹いてやっても当面の解決にはなると思うのですが、やはりちゃんと直すなら取り外してグリスアップしておくべきですね。
すぐ隣に塔のような歯車付きカムが立っています。通称「トグロカム」。このカムはローディングアームとピンチローラの動きを決定しモードスイッチも回しているという重要なポジションでありながら、うっかり触ると簡単に回ってメカ全体の動作タイミングが混乱に陥るという代物ですので要注意。
不注意に回さないようにそーっとアームを外して…あっ。
回しちゃいました(涙
元の位置なんて正直いってまともに覚えていません。 記憶を頼りに組んでみたらもの凄い音を立てて動かなくなってしまいました。 というわけで、バラして最初からメカ位相合わせにチャレンジです。しくしく。
というわけで次のページでメカ組み直しの予定。