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その3 バキューム計編

 

 バキューム計。 いったい何に使うものなんでしょう。 ちょっと踏んでもよく動く

 インテークマニホールドの真空度を表示する計器で、簡単に言えば、吸気の加減を監視することができます。
 エンジンは空気を吸い込もうとしますが、スロットルがそれを妨げますので、インテークマニホールド内は大気圧よりも気圧が下がるわけです。逆に、エンジンが思う存分空気を吸い込んでいるとき、あるいはエンジンが空気を吸い込もうとしないときは大気圧との差が縮まり、指針が振れなくなります。

 通常、同じシチュエーションではいつも同じ値を示すので、「いつもより真空度が低い」「指針が不安定」といった症状でエンジンの不調を発見するのに役立ちます。

 また、燃料供給量とある程度の相関関係があるので、エンジン回転数と組み合わせることによって燃料消費の傾向をつかむこともできます。
 負圧は吸気行程において回転抵抗として働くので、加速するのであれば少ないに越したことはありません。
 一方で、負圧は混合気を吸い込む力であり、スロットルバルブを通過するときの流速でもあります。負圧が低すぎると逆に充てん効率が落ちてしまうことも考えられます。
 高すぎてもだめ、かといって0でもよろしくない。最適値があるのでしょう。奥の深い計器です。

 アクセル操作に対して敏感に反応するので、不必要にアクセルを踏みすぎる自分への戒めになります。 また、助手席からバキューム計をのぞき込んでいるとドライバーが何を考えて運転しているのかがわかり、結構楽しめる点も見逃せない魅力(?)でしょう。

 今回使用したのは、大森メーター製作所のもの。真空度によって目盛が色分けされているのですが、見た目がカラフルで美しく、また実用的です。

 取り付けはショップにお願いしました。既存のグロメットなどの適当な隙間に潜り込ませることのできる電気配線と異なり、バキュームホースを通すためにはドリルで穴を開けて車室とエンジンルームを貫通させないといけません。しかし私には自分でそこまでする勇気はありませんでしたので。
 その後、 メーターの位置をダッシュボード中央から右側へ移動するついでに自分で配管を引き直しました。

 

 エンジンルームの配管

バキュームホースはこんな感じで引き回します。
(メーターに付属するホースは灰色ですが、写真では黄色のものに交換してあります)
緑色の円で示した部分から取り出し、赤色の円のあたりに穴を開けて車内に引き込みます。

 

燃圧レギュレータから取り出す

緑色の円で示した部分の拡大写真です。
この位置で既存の配管をカットし、三方ジョイントを挿入します。
抜けないようにしっかり差し込みましょう。
このままでも問題ないようですが、タイラップやクランプで締めておくと確実です。

運転席から見ると外から見ると

(←車室内 エンジンルーム内↑)

 ステアリングコラムの斜め左上あたりに穴を開けてホースを通します。
 ドリルを使えばどこにでも穴が開けられるわけではなくて、開けてもよい場所は限られているようです。

 さすが工賃4千円…じゃなかった、さすがプロ。

 ブチルゴムテープで防水処理をします。
 ホルツの「リボンシーラー」をエンジンルーム側ホースに1周だけ巻き、反対側から引っ張ってやると、ブチルゴムが穴にピッタリくっつきます。

 

 

 

あとはうまく配管を引いてメーターの場所までもっていきます。
冒頭の写真の位置まで持ってこようとすると、ホース長は2mでぎりぎり。余裕を持った引き回しにしようとすると不足します。
インパネ内部を斜め横断し、Aピラーの根元からホースを出しました。
Aピラー内側の樹脂パネルは、手で引っ張ると外れます。
外したパネルの根元を削ると、ホースを引き出す隙間が確保できます。

イルミネーション電源は、AT車ならシフトレバーからもらってきてもいいですし、オーディオが社外品に交換してあるのならカセットデッキから引っ張ってくるのが確実でお手軽。

 


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